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確認テスト 解説

No. 問題 正解 解説
1 管理職は部下の心身の健康に配慮して、仕事量や責任範囲などを調整する義務がある。 管理職は部下の勤務の状況を日常的に把握し、部下個々人に対し、過度の長時間労働、過重な疲労、心理的負荷・責任等が生じないようにし、個々の能力や適性、職務内容に合わせた配慮を行うことも、求められます。疲れている部下、元気がない部下がいたら、必要に応じて仕事の負担を軽減することが要求されています。
2 職場環境の把握と改善は人事の責任である。 × 管理職には部下、そして管理職自身がおかれている職場環境や勤務形態、職場組織が適切に機能しているかを把握し、必要に応じた見直しを図ることが求められます。職場環境には仕事のしにくさや作業レイアウト、会議の仕方、情報の流れ方、組織の作り方など幅広い内容が含まれます。
3 落ち込んでいる部下がいたら、飲みに連れて行って元気づけたり、励ますなどの対応が良い。 × 落ち込んでいる原因がうつ病などのメンタルヘルス不調である場合、励ますという行為は「がんばっているのに、まだがんばらなきゃいけないの?」と部下本人に考えさせてしまうことになり、逆効果となります。落ち込んでいる原因が心の病気であるのか、そうではないのかを判断するためにも、まずは本人の話をよく聴いた上で対処する必要があります。
4 残業時間が多くても、やる気があって張り切っていればうつ病にはならない。 × 残業時間が多いと、気分転換やストレス発散の時間が必然的になくなり、睡眠にも影響がでてしまいます。そのため、うつ病の大きな要因になることもあります。やる気があっても、本人は張り切っていても、疲れや自律神経の不調の予防にはならないのです。後回しにすると、家庭で大きな問題が発生し、これがうつ病のきっかけになることもあります。
5 うつ病の診断は勝手にしないで、必ず専門家(主治医、産業医)の判断を求める。 部下にメンタルヘルス不調のサインが見られた時には、部下の話をよく聴いたうえで、休暇を勧める、専門的な機関への相談を勧めるなども、管理職の役割です。管理職は医者ではないので病気かどうかを判断できませんが、病気でないことを確認することは大切な役割です。
6 部下に残業がなければ、仕事の負担は多くないと考えて良い。 × 職場の環境や人間関係など、働く人が心身に負担を感じる要素は、仕事の量以外にも考えられます。仕事量が多いとはいえない状況でも、部下の変調を見逃さないようにしましょう。
7 「熱が出た」や「おなかが痛い」という理由で頻繁に遅刻をしたり休む部下についても、うつ病を疑ってみる必要がある。 うつ病の症状はいろいろな種類があります。高熱が出る、腹痛もうつ病の症状の可能性があります。そのほか、頭が痛い、めまいがする、吐き気や下痢、など内科の病気と間違える症状が出ることもあります。頻繁に会社を休んだり遅刻をする場合にはまず病院を受診する必要があります。内科を受診しても、うつ病という判断をされて精神科に紹介されることもあります。
8 部下が落ち込んでいたら、どのような事情であれ、病気を疑う前に話を聴いてあげるべきだ。 部下が落ち込んでいたら、まずプライバシーの保てる場所でゆっくりと話を聴く必要があります。原因が仕事であっても家庭であっても、まず話を聞き、現状の仕事を続けることが可能かどうかを判断する必要があります。仕事が手につかないようなら、気晴らしや気分転換のために休みをとるのも一つの方法です。まず気持ちが落ち着かないと集中力や判断力が低下しますので、気持ちの整理をしたり、問題を解決して仕事に集中できるように支援しましょう。
9 意見を言ってはきはきしていたら、うつ病の可能性はない。 × うつ病にかかっていても笑顔を絶やさない人や、元気そうに振舞う人もいます。職場で周囲に心配させてはいけない、と思って無理をしているのです。また、会議などで「意見を言ってはきはき」していても、机の前でボーっとしているなどというときには無理をしている可能性があります。
10 管理職は、日ごろの部下の勤務態度や考え方に注意をはらって、いつもと違う様子を早期にみつけられるようにしておくことが大切だ。 「部下のいつも」を知っておくことで、部下の「いつもとの違い」に早期に気づくようになり、うつ病の早期発見はもちろん、迅速な対応が可能になります。管理職は、定期的に、自分の部下が元気かどうかを確認する習慣を持つとよいでしょう。
11 仕事が忙しかったり人が少ないときには、部下の話を聴く余裕をいつもより作るべきだ。 部下からの報告や相談には、時間を惜しまずに向きあう姿勢も大切です。特に、仕事量が多いときや社員が減ったときにはストレスを感じがちなので、一層コミュニケーションを取る必要があります。部下が本音で話をできるようにしましょう。耳に痛い話であっても「そうか」と共感を示すことが大切です。
12 本人が休みたくないといったらその意志を尊重し、まずそのままで様子を見る。 × メンタルヘルス不調になると仕事が進まないので、本人は焦りや不安を感じ、「なんとか出社して仕事をしなくては」と思うものです。しかし疲れているとき、病気になったときには何より「休む」ということは大切です。調子が悪いときに気兼ねなく休める職場の風土を作るとともに、場合によっては、業務の免除や出勤停止など、就業規則に基づいた措置が必要です。
13 ときどき体調不良で休むので仕事が進まない部下が休日出勤を希望したら、認めて仕事をする時間を与えるべきだ。 × 頻繁に体調不良で休むということ自体、うつ病などのメンタルヘルス不調のサインかも知れません。体調が心配な部下は上司が居る場所で仕事をすることが望ましいので、休日出勤は原則禁止すべきです。休日は休んで、きちんと毎日出勤できるように体調を整えるのが最初の一歩です。
14 主治医から「復職可」という診断書がでたからとはいえ、すぐ復職させるのではなく産業医あるいは人事に相談すべきだ。 主治医からの診断書は多くの場合は仕事の負荷を考慮していないことが多いのです。仕事を具体的にイメージして、休職者本人の状態を産業医に確認してもらいましょう。その後、職場の意見も合わせて初めて復職が決まります。
15 復職してから半年程は、仕事の負荷について適切に調整をしていくことが、うつ病などの再発予防になる。 復職は、長い仕事のブランクの影響と、服用している薬の影響などがある中で行われます。休み中は元気を回復していても、仕事を始めると少し疲れるのは当然です。ですから復職後は、勤務時間の短縮、残業や深夜勤務の禁止、出張や交替勤務の制限など、業務負荷の軽減などの対応を採り、約半年をかけてゆっくりと負担を増やしていくのが再発防止のためにも重要です。
16 家庭の問題でうつ病になった時には、仕事の調整は必要ない。 × うつ病の要因が家庭にある場合でも、仕事を続けることが難しい症状があったり、仕事をしたままでは回復が困難な場合には、仕事を休んだり、軽減する必要があります。家庭での問題が解決できていないばかりに、仕事に悪い影響がでている場合もあります。 部下の話をよく聴いた上で、原因が家庭の問題であっても、休暇を勧める、専門的な機関への相談を勧めるなどの対処をすることが、管理職の役割です。
17 優秀な成績をあげている部下にはメンタルヘルスを心配する必要はない。 × 部下の業績が良いからといって、メンタルヘルスに問題がないとは限りません。うつ病のような心の病気は、環境のストレスと、その人のストレス耐性のバランスが原因で起きると考えられています。優秀でまじめな部下ほど、仕事も集中する傾向にあり、多くのストレスを抱えている可能性もあります。また、期待が大きく、本人も評価を意識する余りストレスが強くなっている場合もあります。上司が話を聴いて問題がないかどうかを判断する必要があるのは、他の社員と全く同じです。
18 メンタルヘルスについての理解を進めるために職場研修をすることも大切な予防策である。 事業者が主体となって社員や管理職を対象としたメンタルヘルス研修を行い理解を深めておくことは、とても重要なメンタルヘルス予防策です。
19 うつ病による休職や復職について、人事を担当する部署と、就業規則が整っているか確認しておくことが大切だ。 休職制度については、労働基準法第89条10号に、「使用者は、休職に関する事項など、当該事業場の労働者すべてに適用される定めをする場合には、就業規則に必ず記載しなければならない」と定められています。休職に関する手当の内容、手続きの方法、期間などは企業によって様々ですが、これらの内容を確認し、全体で共有しておくとよいでしょう。
20 重いうつ病が疑われる社員が休職する場合、連絡を取れなくなることのないように、本人の連絡先や家族の連絡先を把握しておく。 実際に休みに入った際に、本人とは定期的に連絡が取れるように、連絡のタイミングと、連絡先を共有しておきましょう。実家に帰る、ということも想定し、実家の連絡先を把握しておくことも重要です。一人暮らしの社員の場合には、実家に帰って休養するように説得することも検討すべきです。
自分からはなかなか家族に伝えられないことが多いので、会社が家族を呼んで説明するなどの方法も、ゆっくりと休むためには良い方法です。
正しい理解を持って、ラインケアに臨むことが大切です。

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